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JAバンク広島が農家や子どもの未来を支える!?

農家に活力を与える様々な取組みで、地域の食と農を支えています。

JAバンク広島が農家や子どもの未来を支える!?

JA広島信連:おはようございます!今日は朝早くからすみません。

さいねい龍二:食農教育の授業ですよね。子どもたちといっしょに、学べるので楽しみです!

さいねい龍二さん

JA広島信連:まだ、少し時間がありますのでJAバンク広島についてお話させてください。
前回、話し足りなかったので(笑)
食農教育にも関係しますが、「食」に欠かせないのが地域の農業・農家の存在です。JAバンク広島は就農や営農、担い手の所得向上などのサポート業務を行っています。

さいねい龍二:具体的にはどんな支援をされているのですか?

JA広島信連:「農業者・地域から評価され、選ばれ、一層必要とされるJAバンク」であり続けようと、さまざまな農業支援を展開しています。
具体的には、農業者の返済負担軽減のため、最大年1%、当初3年間の金利を引き下げる「JAバンク利子補給制度」や保証料の全額を助成する「JA農業資金保証料助成制度」を行っています。
対象となる融資商品も「JA営農支援資金」・「農業近代化資金」・「JA新規就農支援資金」などを揃えており、農機具や施設の導入・家畜導入・運転資金など、農業経営に関する多様なニーズに対応しています。

さいねい龍二:農家さんには心強いですね。安心して融資を受けられます。

JA広島信連:融資のほかに、「担い手コンサルティング」の取組みを行っています。JAの総合事業体であるメリットを活かし、地域農家の財務分析やヒアリングを通じて経営課題を明確にし、経営課題および農業所得向上に向けた解決策の提案を行っています。
また、農業者の経営課題解決のための「農業経営者セミナー」を開催しています。会計・税務や事業承継、労務管理、農産物販売戦略など様々なテーマを用意しており、好評をいただいています。

未来の“キッズイノベーター”のための、新たな次世代支援をスタートしました

JA広島信連:さいねいさんが今日参加する授業もそうですが、子どもたちに食や農の大切さを伝える「食農教育」に力を入れています。その一つ、JAバンク食農教育応援事業として、食農教材本「農業とわたしたちのくらし」を広島県内の小学校高学年を対象に寄贈しています。食農教育・環境教育・金融経済教育を基本テーマにした冊子で、社会科や理科、家庭科、総合学習の時間の補助教材として活用されています。2022年度には小学校465校へ約29,500冊を無償配布しました。

さいねい龍二:子どもたちにとって食や農、環境への理解を深めることは大切ですね。

農業とわたしたちのくらし

JA広島信連:はい。そして、今年7月からは新たな食農教育プロジェクトとして「起農(きのう)みらい塾」を開校しました。10年後の食と農、地域に貢献できる次世代の育成を目指しています。今までの食農教育では農業体験や料理教室などが多かったのですが、こちらは食農教育に金融や経営の視点を取り入れてお金の様々な働きを理解し、社会に関わる力や自立する力を育てるための全10回のカリキュラムになっています。対象は小学校4年生~6年生で農産物の生産・加工・流通の現場訪問での学びから実際の商品販売まで、お金を稼ぐビジネス型体験学習を基本にしています。

さいねい龍二:農業と金融の組み合わせって、新しいですね。起業家精神を学べるのは、これからの子どもたちにとって有意義なことですね。

JA広島信連:はい、ありがとうございます。授業の中でモノの価値や仕組み、お金の役割と大切さを理解し、工夫しながら働く意義を学び、農業を一つのビジネスとしてとらえて起業家的な素養や能力を磨ける場になることを願っています。その起業家精神こそが、社会に役立つ行動を積極的に起こす力、子どもたちにとっての未来を生き抜く力だと考えています。
さいねいさん、そろそろ授業が始まりそうなので行きましょうか。

お金を稼ぐビジネス型体験学習を基本にしています2022年度 第1期生「開講式」&「第1回授業」

起農みらい塾は、子どもたちの生きるチカラ(起業家精神)を育てています

JA広島信連:今回、さいねいさんに参加してもらったのは「起農みらい塾」の第4回目の授業で、ゴールズ株式会社さんの協力があって加工現場での学びが実現しました。ライスバーガー作りやお米アイスのシール貼り体験を通して、様々な技術や工夫によって商品が完成していることを身をもって感じてもらえたと思います。また、加工業のビジネス戦略の具体的な話を聞けたことも貴重です。

さいねい龍二:大人の僕でも、すごく勉強になりました。子どもたちといっしょに学べて楽しかったですよ(笑)。

「起農みらい塾」の第4回目の授業

JA広島信連:「起農みらい塾」に参加してみて、学びの内容や子どもたちの印象はいかがでしたか?

さいねい龍二:内容的には僕が思っていた子ども向けの食農教育からは、かなり発展した形で驚きました。農業というよりは、農業経営を見据えて専門的なマーケティングまで踏み込んで教えているんですね。
子どもたちの印象は、質問の純度が高いと感じました。核心をついた質問を投げかけていて、確かにその質問がないと、前には進めないテーマだなと。大人なら遠慮して聞くのをやめてしまいますが、子どもは忖度なしの純粋な気持ちがそのまま質問になっている、これってすごく大事なことでなんですね。

JA広島信連:もし、さいねいさんの子どもの頃に「起農みらい塾」があったらどうでしょう?

さいねい龍二:僕は小学生のときに、ワープロ教室に通っていたんですけど(笑)。タイピング入力して、プリントアウトすると活字になって出てきて、とても感動した思い出があります。
「起農みらい塾」は普段学校で学べない、家庭では教えにくいことに子どもたちが積極的に向き合い、クリエイティブな要素を交えながらチームワークで学んでいくスタイルが素晴らしいと思いました。ワープロ教室とは比較になりませんが、発見があったり、感動したり、子どもたちを育むのはこういうところで、その点、昔も今も変わらないですね。「起農みらい塾」は、大人の僕から見ても魅力的ですから、今からでも学びたいですよ。

JA広島信連:そう言っていただけると、このプロジェクトに取組んできた甲斐があります。
「起農みらい塾」の対象ですが、小学生にしています。その狙いや意義は感じられましたか?

さいねい龍二:農業から連想しにくいですが、当然、農業もビジネスなんですよね。何も考えなく、ただ作って売るだけの世界ではありません。経営の視点をもって、資材や農業技術、農産物の加工・流通、外食産業を含めた展開を考え儲かる方法を探しています。そういうところに縁遠いと思われがちな農業のイメージを取り除くには、小学生が学ぶことに意義がありますね。中学生になれば、いろんな情報が良くも悪くも身についた状態ですが、素直に吸収できるタイミングに設定したのは、それだけでも価値があると思います。

「起農みらい塾」の第4回目の授業「起農みらい塾」の第4回目の授業

JA広島信連:では、JAが「起農みらい塾」のような取組みを実践していることについて、どう思われましたか?

さいねい龍二:僕の印象では、JAはどちらかというと高齢者に向いていますよね(笑)。でも、「起農みらい塾」は子ども向けの取組みで、特にすごいなと感じたのが観覧する保護者が教室にいないことです。子どもたちだけで勉強して、仲間といっしょにグループワークをやっている。僕も参加してみてわかったのですが、グループの中ではどんどん意見やアイデアが出ているんです。親の目を気にしない、自由な学びって理想的ですね。

さいねい龍二さん

JA広島信連:そうですね。学びの意識が高い子どもたちが集まっているので、大人が圧倒されますよね(笑)。
この「起農みらい塾」は食農教育と金融教育を組み合わせた、起業をテーマにした塾ですが、参加している子どもたちに期待されることはありますか?

さいねい龍二:子どもたちが学習していたマーケティングの4Pって、僕でも最近本で読んで知ったことで、ここを通らない人は、一生通らない道だと思うんです。「起農みらい塾」の子どもたちはこの年齢でマーケティングを知り、興味をもつ、その前提にあるのが農業ということがうれしいですよね。農業は一次産業ということもあって、実際のところ開発されていないビジネスという認識があるんじゃないかと、本当はやらないといけないんですけど…。農業も子どもたちといっしょで将来性があります。若い世代に期待して、これからその辺りを払拭してほしいです。

JA広島信連:やはり、子どもたちには、農業をビジネスとして捉えてほしいですね。
今後、子どもたちが農業分野でビジネスや起業をした場合、どんなことに期待しますか?
また、未来の農業の理想はどういったものでしょうか?

さいねい龍二:農業の未来については僕にも関係しているので、日々考えています。でも、僕が考え及んでいないところまで発展してくれるとうれしいです。
今あるモノの価値を高めて売ることがポイントですね。日本に限っていえば人口が減少しているので、そこで売り上げを確保しようとすれば価値を上げるしかないですよね。これからの子どもたちは海外に目を向けていくようになると思います。人口も増えているので、価値も上げれば加速度的に収益が上がっていくと思います。

さいねい龍二さん「起農みらい塾」の第4回目の授業

起農みらい塾から未来を担う子どもたちをたくさん送り出したい

JA広島信連:金融教育と食農教育は、私たちJAだからできる取組みだと考えています。今後もこのような取組みを通じて、社会や地域に貢献したいと思っていますが、さいねいさんから見て、JAに期待することはどういった点でしょうか?

さいねい龍二:「起農みらい塾」もそうですが、これからの若い人に向けたプロジェクトを積極的に進めてほしいです。高齢の方はJAとのつながりが深いので、次世代へもっとシフトしたJAが仕掛けていくスタンスが必要ですよね。
金融教育の面では、資産運用に関わる投資についての話があってもいいんじゃないかと思います。損失が出る可能性を含めてのメリット、デメリットの両極が学べるといいですね。
食や農は誰しも興味があります。できることならそこに関わって安全・安心なものを口にしたいけど、なかなかできません。でも、時間とお金に余裕さえあれば可能です。金融教育でしっかり学んで、しっかり稼いだ上で、農業や食を後々追求していけばいいのかなと思います。

JA広島信連:このプロジェクトはできるだけ多くの方に知ってもらい、長く続けていきたいです。将来的に「起農みらい塾」の卒業生が、ソーシャル・イノベーションを起こせる人材として社会で活躍することを楽しみにしています。

「起農みらい塾」の第4回目の授業 「起農みらい塾」の第4回目の授業

地域とともにイキル未来

さいねい龍二:今回のお話で農家さんと同じくらい、若い人にもしっかりと向き合っていることに安心しました。次世代や地域の未来を考えた、素晴らしい取組みも知ることができてよかったです。
イキル未来サポーターとして2回目の訪問ですが、JAバンク広島には隠れた魅力がまだまだありそうですね。次回の訪問が今から楽しみです。本日はありがとうございました。

JA広島信連:こちらこそ、今日一日、おつきあいありがとうございました。「起農みらい塾」では子どもたちに大人気でしたね。さいねいさんといっしょに学べて、いい思い出になったと思います。是非、またご参加ください。
さいねいさんからの私たちへのアドバイス、期待することを踏まえて、次世代の子どもたちや地域に積極的に関わっていきたいと思います。

「起農みらい塾」の第4回目の授業