授業レポート

若葉
若葉

起農みらい塾レポート No.01
2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」を行いました!

日時:2023年7月29日(土)10:30~16:30
会場:イノーベーション・ハブ・ひろしまCamps

さまざまな体験が待っている!子どもたちの挑戦がはじまる!

さまざまな体験が待っている!子どもたちの挑戦がはじまる!さまざまな体験が待っている!子どもたちの挑戦がはじまる!

第2期生の入塾式がスタート。主催のJAグループ広島を代表して、JAバンク広島 田村氏の挨拶です。
「生産現場での農作業、商品の企画、店頭での販売など、普段、学校では学べないことにチャレンジできるので楽しみにしてほしい」
子どもたちが社会に目を向ける中、自らさまざまな課題を見つけ、解決する自主性を養うとともに、異なる学年が集まったチームの中で人と関わる力を磨いていくなど、起農みらい塾の学びの可能性についての話が続きました。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

先生の紹介に移り、先生はディレクター兼講師の大野先生、講師・運営補佐の豊永先生、学びをサポートする大学生スタッフ8名の総勢10名。大野先生は講師であり社長、教えるプロ&稼ぐプロです。
「学校とは違う学習の場で、楽しく、稼ぎ方を学びましょう!」
大野先生の力強く、頼もしい言葉が印象的でした。
塾生も一人ひとり自己紹介。名前と学校名、好きなことや特技を教えてくれる子どももいました。

次に起農みらい塾の学び合いのルールが示されました。
1 人の話は否定せず最後まで聞こう!
2 自分と相手の意見がちがうから面白い!
3 自分の意見が通らなくてもやってみよう!

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

「がんばるぞー!おー!」
塾生みんなの元気な掛け声で入塾式を締めました。

入塾式が終わり、保護者の方にお話しを伺いました。

塾に期待している点や魅力について:

「学校の枠を超えて、普段の習いごととは違うコミュニティの中で、ここでしかできない体験をさせたいと思って入塾させました」
「今、子どもが社会の仕組みについて興味をもっていて…。例えば、玉子の値段が上がっていることに対して、これはどうしてなんだろうと疑問に思い、モノと社会の流れをセットにして考えるようになっています。子どもにとって吸収する力が旺盛なときに、できるだけいい学びの場を与えたくて、タイミングよく起農みらい塾に出会えてよかったです」
「起業家をめざす内容はもちろん、授業スタイルは見学を含め、保護者との接点がない、そんな環境の中で、自分の子どもがどのような成長をするのか、期待しています」
「第1期生では、おとなしい子でも段々と発言力がアップしたと聞きました。プレゼンテーションが毎回あるのも魅力ですね。コミュニケーション能力を身につけてほしいです」

ゲームの中で一人ひとりの個性・能力を活かし、クリアする楽しさ。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

『ジブントレカ』は2人1組で行うターン制のゲームです。先に星を10個以上集めれば勝ち。
まず、ジブンカードを9人の仲間(塾生・大学生)と交換します。ジブンカードは、自分の得意技を記した分身カードのことです。10枚のカードを手札に、シナリオカードをとってモンスターを倒したり、アクシデントを乗り越えたり、お互いの良さや強みを意識して戦略的に進めます。
大学生のスタッフのサポートもあってか、子どもたちはルールの理解も早く、夢中になって遊んでいました。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

ゲームの感想を聞いてみました。
「サイコロで、出てほしい数字だったときがうれしかった!」
「ナカマカードやジブンカードの使うタイミングで、勝負が決まるので難しかった!」
「はじめてのゲームだったけど、とても楽しかったです!」
「ここにいる全員とやってみたくなった!」

大野先生はカードゲームを取り入れた意図を話しました。
「自分を含め、仲間一人ひとり能力が違ったよね。実際働くときに、さまざまな能力を組み合わせてチャレンジすればクリアできる、それを理解してほしかったんだ」
「みんな学年も違うし、個性も違う、だからこそ、これからおもしろいことをいっしょにやっていこうね!」


ここまで終えて、大学生スタッフ(昨年も参加)に話を聞いてみました。

第2期生について:

「ルールを守りながら楽しく学びたいという思いをもった子どもが多いと感じました。だから学びの質も高くなりそうな予感がします」
「お互い知らなくても、自分から積極的に話しかける子が目立ちます。初めてなのにいい雰囲気でした」


カードゲームでの子どもたちの様子について:

「最初はルールがわかりにくく、進めるのが難しかったようでした。その中で自分たちがどうすればいいのか、子ども自身で考えていました」
「勝ち負けがあるので、喜びや悔しさなどいろいろな感情が見てとれ、楽しそうにやっているのがいいなと思いました」


今後の目標や意気込みについて:

「昨年は、子どもとの関わりがわかっていない部分があって、手探り状態でした。今年は昨年の経験があるので自信もあります(笑)」
「私が話しかけて会話をすることで終わらず、みんなが話せる空間をつくっていくことが一番大事だと思います。そのために、自分がどう動くかを意識してがんばっていきたいです。とても難しいですけど…。貴重な経験になるので自分の成長にもつなげたいです」


今年、初参加の大学生スタッフにも話を聞きました。

今後の目標や意気込みについて:

「まず、子どもたちと仲よくなることが目標です。関わり方、接し方を考えて、スムーズにコミュニケーションがとれる雰囲気づくりと子どもたちが立てた目標の達成をサポートできるようにしたいです。自分の決めた目標に向かって、いろいろな道があると思うので、自分なりの方法を見つけて達成してほしいです」

5グループ、それぞれにチーム名や目標に思いを込めて。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

午後からは、グループの中でチーム名やチーム目標を話し合いました。

  • チーム名:「TYTE(タイト)」
    目標:「仲よく、楽しく、お金がかせげるチーム」
  • チーム名:「あそりし丼」
    目標:「一致団結 農業体験!協調性を高める!」
  • チーム名:「思考力・ジブントレカ天才チーム」
    目標:「たくさん考えてジブントレカでたくさん学ぶ そしてみんなと仲よくなる」
  • チーム名:「P.R」
    目標:「みんなで仲よく協力して学び合う 話を聞いて相手の立場になって考えよう 最初から最後まで元気いっぱい!!!」
  • チーム名:「未来へ笑顔を届ける!チャレンジチーム」
    目標:「過去最高の売上げ10万円達成!たくさんのお客さんに笑顔で楽しく買ってもらう!」

ここに、個性豊かな5チームが揃いました。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

『地産地消』『国消国産』、命に関わる食べ物や農業の大切さを学ぶ。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

普段はJAグループ広島で広報を担当している井口先生の授業、「広島県の農業を考える」です。
『地産地消』、『国消国産』の言葉の意味を教わりました。
「では、なぜ、これが大切なのでしょうか?」
井口先生の問いに、子どもたちが答えました。
「輸送時間が少なくなれば、その分、新鮮なものが食べられる」
「日本で作って消費すれば輸入が減るので、外国の人に必要な食料に影響が出ない」

井口先生は頷きながら説明しました。
「食べ物は、命に関わること。工業製品と違って、食料は足りないからといって急に生産量を増やせないよね。外国からの輸入に頼らず、日本や住んでいる地域で作ったものを食べれば、安心して暮らせるということです」

次に、広島・日本の“食”をとりまく5つのリスクについての学びでした。
日本の食料自給率は38%、広島県においては21%で、47都道府県の36位です。
輸入がストップするとどうなるのか想像し、子どもたちは驚いた様子でした。
将来、農家の人口が減り、高齢化が進むことが予測され、このままでは広島県の農業の力が弱まること。田んぼや畑は食料を作るだけではなく、自然を守ることに役立っていること。
地球上の人口は増え続けていることで、輸入に頼っている日本はいずれ食料不足になること。みんなメモをとりながら聞き入り、食や農業の大切さについて理解を深めました。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

『地産地消』、『国消国産』を進めるために、できることをグループで考えました。
「食料自給率を上げるために、農家さんを増やすこと。そのために、小学校の授業の一つに『農業』を取り入れて子どもの頃から興味をもたせる」
「日本で生産する量を増やして、売り上げも増やす。国産を食べて農家さんのやる気をアップさせる」
「地元の農業や食べ物に、興味をもって生活していく」

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

井口先生はまとめとして、子どもたちへJAグループ広島からのメッセージを伝えました。
「みんなに農業を身近に感じてもらいたいです。農家にならなくても、“農家さんを応援したい”という気持ちをもってほしいです。応援するためには、地元のものを買うこと、食べること、みなさんのできることから始めてくださいね」

モノやサービスに対して、自分なりの“価値”を考えられる人になろう。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

「お金の働きを楽しく学ぼう」と題して、JAバンク広島 田村先生の授業が始まりました。
クイズ形式で楽しく学べるものでした。
1円〜500円までの6種類の硬貨、それぞれどちらが表か裏かというクイズです。正解は5円硬貨を除いて、発行した年が刻印されている面が裏。5円玉の表のデザインについての豆知識も教わりました。
お金の働きの話では、大昔、貨幣がない時代に物々交換していたことを例に、「モノの価値を貯める」、「モノの価値をはかる」、「モノを交換する」の3つの機能の話もありました。

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

モノの価値についての学びで田村先生は問いかけました。
「お店で食べるおもちゃ付きの牛丼(600円)と家で食べる牛丼(200円)、どちらの値段が高い?」
すべてのグループが、家の牛丼の方が高いと答えました。
「実はどちらも正解です。お店の600円が高いと感じる人、安いと思う人もいます。モノの価値は、人それぞれ違うからです」
「牛丼を作るために必要な材料の合計が500円と想定して、残りの100円は利益分。600円払ってでも、そこに価値を見出せば注文する人がいます。その人に役立てば、儲け(対価)が生まれるということです」
「みんなも、モノやサービスに対しての価値を考え、自分の考えをもつことを大切にしてください」

大野先生
「今日は、今まで習ったことがないことがたくさんあったと思います。農業のこと、お金のこと、ジブントレカもそうですね。初めてづくしの中で、これから5ヶ月あります。塾の目標とチームの目標、どちらも達成できるようにがんばりましょう!」

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」

今日の授業のふりかえりとして、子どもたちに話を聞いてみました。
「カードゲームは、勝つかどうかですごく盛り上がった」
「ジブントレカで他の人とカードを交換して、そのカードを使っていろんな戦略があって進めるのがおもしろかった」

「チームづくりは、グループみんなが意見を出し合って、チーム名はそれぞれのアイデアを組み合わせてつくったので納得できた。グループの中で考えると、いろんなアイデアは出るけど、その分、言い合いになるかなと思ったけどそれがなく、意見を受け入れてきちんとできた」
「大学生の先生は話がとてもおもしろくて、好きなアニメや音楽、YouTuberの話もしました。」

「農業の話は、知らなかった言葉、『国消国産』を覚えられてよかった。いつもの食事で広島県産とか、国産とか、そういうことを一度も気にしたことがなかったけど、食べるときに、どこで作られたものなのか、お母さんに聞いてみたい。農業を助けるために広島県産のものを食べたいです」
「もっと農業のこと(イチゴやほうれん草をどうすればたくさん育てられるのか)を学びたい。疑問がたくさんわいたので、実際に農家さんに聞いてみたいです」

「お金の話は、身近なものに例えてくれて、わかりやすく楽しかったです。お金の表と裏のことも知らないことだったので、友だちにクイズとして出したいです」

2023年度 第2期生「入塾式」&「第1回授業」
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