授業レポート

若葉
若葉

起農みらい塾レポート No.01
2024年度 第3期生「入塾式」&「第1回授業」を行いました!

日時:2024年7月20日(土)10:30~15:30
会場:エディオンピースウイング広島(多目的室B2)

学校とはひと味違う学び&体験への扉を開く、緊張と期待を胸に。

第3期生の入塾式がスタート。主催のJAグループ広島を代表して、JAバンク広島 斎藤氏の挨拶です。
「起農みらい塾では、生産現場での農作業をはじめ、商品の企画や店頭での販売など学校では学べない、経験できないことがたくさんあるので楽しみにしておいてください」
社会に目を向けて見つけた課題を自分たちで解決する力、異なる学年でいっしょに取り組み、チームの中で人と関わる力を磨ける塾の特長にふれ、これからの5ヶ月間に期待を抱かせる内容でした。

続いて先生とスタッフの紹介です。ディレクター兼講師の大野先生、講師・運営補佐の豊永先生、学びをサポートする大学生スタッフの意気込みが聞かれました。
大野先生は小・中・高・大学の教育者で会社も経営しています。先生と社長をWで行っている希少な存在です。

自分の強みをもとに、仲間の優れた点を見つけて活かす大切さ。

塾生は軽く自己紹介を済ませた後、2人1組でカードゲーム『ジブントレカ』を始めました。先に星を10個以上集めると勝利です。まず、ジブンカード(自分の得意技を記した分身カード)を9人の仲間と交換。10枚のカードを手札に、シナリオカードをとってモンスターを倒したり、アクシデントを乗り越えたり、お互いの良さや強みを意識して戦略的に進めます。ゲームを進めるごとに自分と相手のいいところを発見するゲームで、楽しみながらお互いを知る場になります。ゲーム後には緊張がほぐれ、すっかり打ち解けていました。

「勝つためのコツはなんだろう?」
大野先生は塾生に問いかけました。

「サイコロの運次第だと思う!」
「星の数とサイコロの数をうまく使い分ける!」
「ジブンカードの強さが大事!」

このゲームの狙いを大野先生は語りました。
「起業で大事なのは、自分の強みを持ち、それを活かすことです」
「自分のいい点と仲間の強みを組み合わせることが、起業でも農業でも、そして人生において重要だとゲームを通して伝えたかったんだよ」

チームでひとつに!気持ち高まる、個性豊かな子どもたち。

午後からはチーム作りのためのグループワーク。いっしょに活動する仲間で話し合い、各チームの名前と目標が決定、授業に向けて準備完了です。

〈チーム名〉SBTT

〈目標〉チームで協力しておいしいものを作り、野菜嫌いなお客さまにも笑顔で食べてもらえるようにする!
チーム名は、メンバーそれぞれの好きな野菜(さつまいも・ベビーリーフ・とうもろこし・トマト)の頭文字を組み合わせたようです。


〈チーム名〉チーム おにぎり

〈目標〉商品を作って完売させる!仲良く喧嘩せず授業に取り組む!人の話を聞く!ルールを守る!
おにぎりをモチーフにしたメンバーの似顔絵を盛り込み、ユニークさが際立っていました。


〈チーム名〉Rnty

〈目標〉起業・農業で未来をつくる!
チーム名の由来はメンバーの名前の頭文字。未来をイメージしたロケットが印象的なロゴマークでした。


〈チーム名〉起農がんばり隊 ~きのきの~

〈目標〉がんばるぞー!!
思いがストレートに伝わるチーム名で、野菜や果物のイラストを添えて楽しくまとめていました。

農業と食のピンチ!日本・広島のいまを真剣に受け止める。

本日のメイン、JAグループ広島の井口先生の授業『食や農業について考える』です。
塾生は最初に動画を視聴し、JAが農業をはじめ、地域を元気にするためにさまざまな活動を行っていること、それらが助け合いの精神を元にした事業であることを知りました。

塾生はこの授業のために、事前課題『1週間の食事の中で、どれくらい広島県産の食材が使われていたのか』をチェックしてきてもらいました。
多くの食材が発表される中、自宅の菜園で採れた野菜や近所からのおすそわけを食卓に取り入れている家庭もありました。

それを踏まえて、広島県の農業について調べる個人ワークが始まりました。農家がおかれている状況、県内で多く生産されている農畜産物の種類などを大学生スタッフのサポートを受けながら、スマホやタブレットを駆使してワークシートに書き込みました。

井口先生は食や農業を考える上で大切なキーワード、“地産地消”や“国消国産”を取り上げ、丁寧に説明を続けました。
「生きるために欠かせない食料は、地域や国内で作ったほうが安心ですね」
「私たちJAグループは、いまの日本や広島の農業と食について、危機感を感じています。みんなにはそれを知ってほしいですし、考えてほしいです」


危機感を感じている理由、そのポイントです。
①日本や広島県の食料自給率の低さ
②農業生産力の弱体化(生産者の減少・高齢化、耕作放棄地の増加)
③自然災害の多発(農業の多面的機能)
④世界的な人口増加による食料の争奪戦
⑤農畜産物を生み出す資材費の高騰 など


塾生は真剣な眼差しで、さまざまな問題点について聞き入っていました。

農業や食の問題解決へ取り組むストーリー、はじめの一歩。

「みんなで、ショート動画を作ってみよう!」
ここまで教わった農業や食の問題をどうすれば解決できるのか、アイデアを出して動画にまとめます。
各チームが考えたシナリオの発表が始まりました。

トップバッターは演劇仕立てでの発表です。食料自給率の低さから食べ物が足りなくなり、あきらめの状況から一転、日本の農家さんに感謝を伝え、多くの人に魅力を伝える解決策を提案。
「これからも日本、広島県の農業と食を大切にしていこう!」のメッセージで締めました。

次のチームは紙芝居風の演出です。おにぎりの神からのお告げから、広島の農業と食のピンチを救うのは自分たちだと立ち上がり、積極的に行動するストーリーでした。

続いてのチームは日本の農業の問題点を整理し、農家を増やすために芸能人を起用した宣伝、農業体験の楽しさを伝えるというアイデアでした。

ラストは農業と食の危機をグラフでわかりやすく表現したチームです。国消国産、地産地消のキーワードをうまく盛り込んでいました。

井口先生からの講評は、次回からの学びにも活きてくる、心からのメッセージでした。
「みなさん、短い時間に関わらず素晴らしいアイデアをありがとうございました。授業で教えたことをきちんと理解していることがうれしかったです」
「国消国産、地産地消に取り組めば、問題解決につながっていきます。食事をするときは、“広島県産の食材が使われているのかな?”と意識してください。JAの産直市やスーパーなどで、“農家さんがんばって!”という気持ちで地元のものを選んでください。日本や広島を守るため、みなさんの力で農業や食を未来につないでくださいね!」

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