授業レポート

若葉
若葉

起農みらい塾レポート No.03
「価格の成り立ち」や「販売促進の工夫」について学びました!

日時:2024年8月9日(金)10:30~15:30
会場:とれたて元気市 広島店、2階会議室 とまと・わけぎ

スーパーとは違う、生産者が身近な直売所の強み。

今日は直売所『とれたて元気市』を訪問しての授業です。店舗2階の会議室で、JA全農ひろしまの山里先生の授業が始まりました。平成13年10月に開業したとれたて元気市は、地産地消のニーズに応えるために地元の農畜産物を販売しています。売上げは年間約14億円、県内に40ヶ所以上ある産直市の中では一番です。
山里先生は一般のスーパーとの違いについてふれました。
「お店の商品は基本的に広島県産が中心です。生産者自身が値段を決めて、商品に値札を貼ってお店に並べています」
ここでは2,100人以上の生産者が商品を出荷。売れ残った商品は生産者が引き取るシステムです。

とれたて元気市が守っている5つの約束に、お店の強い思いを感じました。
1. 広島県の農業、そして広島県を元気にすること
2. 広島県の地元産品を提供すること
3. 旬の産物を提供すること
4. 食と農業の大切さをしっかり伝えること
5. 生産者とお客様の交流を大切にすること

塾生はここまで学習してきたポイントのおさらいのクイズを終え、基本的なことを理解した上で店舗見学に移りました。

お客さんの生の声は、お店を深く知る手掛かりに。

とれたて元気市の副店長のガイドのもと、見学ツアーがスタート。初めてこのお店に来た塾生は、たくさんのお客さんで賑わう広々とした店内に驚いていました。旬のフルーツを使ったスイーツを販売する「みのりカフェ」やお弁当コーナー、牛乳、魚、肉などの売場を進んでいき、どこに何が売っているのか、値段はいくらなのか、塾生は説明を一生懸命聞き、メモをとりながら回りました。環境に配慮した耕畜連携・資源循環ブランド「3-Rコーナー」の商品の特徴、品揃えについても知ることができました。

次はアンケート調査のため、お客さんへインタビューをします。購入した理由や比較した商品、とれたて元気市のイメージについてのヒアリングです。
買物中の人やレジを済ませて袋詰めをしている人がいる中、塾生は辺りをうかがいつつ、誰に聞きに行こうかと迷っています。
「知らない人に声をかけるのって緊張する…」
最初の一声は勇気が必要です。
「すみません。今、アンケートいいですか?」
塾生の言葉に、お客さんは笑顔で優しく答えてくれました。
「協力してくれてうれしかった!」「この調子でどんどん聞くぞ!」
新鮮で安くて、種類が多い、清潔な感じがするなど、お客さんの推しポイントをたくさん聞くことができました。

仕入値と売値のバランスが利益を左右する。

午後からは山里先生の授業『価格の成り立ちを知る』です。
お客さんに商品やサービスを提供していただく売上げ、そこから仕入れなどの諸経費を引いたお金が儲けになります。例題を解きながら、仕入れや売上げ、利益の関係性と計算の方法を学びました。
5万円以上の売上目標を達成するために、複数の商品を組み合わせる計画書づくりでは、目標額を少しでも越えればクリアですが、1,000万円を目指した塾生がいたりと、そのパターンはいくつもありました。
次にとれたて元気市に出荷している生産者の利益について考えました。お店は生産者の売上げから18%の手数料をもらい、それで運営しているそうです。1,000円の売上げの場合、元気市が180円の手数料をいただいて、残り820円が生産者の給料、手取りになります。
一方、スーパーでの値段は直売所とは違います。生産者が商品を直接持ち込まず、仲卸業者が市場で買い付けてスーパーに卸しています。ここで売値を決める作業が発生します。

山里先生は塾生に質問を投げかけました。
「みなさんは、100円で仕入れた商品を何円で売りますか?」
高い値段で売れば儲けは多くなりますが、売れない可能性もあります。安くすると儲けが少なくなる、バランスを考えて値段を決めることが大切だと教わりました。

商品の魅力を引き出す、写真加工の無限のアイデア。

JA全農ひろしま 荒先生の『インスタグラム講座』です。SNSでどのようにして商品の良さを発信するかを学びます。日本ではSNSを利用している人が全体の約80~90%で、インスタグラムは2024年3月時点で約6,600万人のユーザーがいて、特に10~30代の女性に支持されています。

投稿内容について、3つのポイントで教わりました。
写真を撮るときの注意点では、商品がハッキリ写っているか、余白が多くなっていないか、人が写っているときは本人の許可をもらっているかです。良い写真とNG写真の例を見比べての説明だったのでわかりやすかったようです。
写真加工のコツでは、情報を詰め込み過ぎず、一目で何を伝えたいのかわかるようにすること。投稿文章は、一番伝えたいことを最初に書く、改行や空白を適度に使い、絵文字も使う、ハッシュダグをつけることなどでした。

塾生は授業を受けたあと、実際に写真加工の体験を行いました。3-R認定の広島県産小豆を使ったもみじ饅頭「さんあーる もみじ」をPRするためのインスタグラム用画像の作成です。商品の写真を撮り、スマホやタブレットでビジュアルツールアプリを使って加工します。最後に出来上がった写真の中から、優秀な作品をJA全農ひろしまのHPまたはインスタグラムで使用するとのこと。荒先生の言葉に、みんな気合いが入りました!

初めて使うアプリでも、直感的に操作している塾生が多く、驚きです。みんなでアイデアを出し、上手く伝わるようツールを駆使しながら加工しています。それぞれ夢中になって作業をするうちに、あっという間に時間が経ちました。

発表の時間です。スクリーンに映し出されたのはどれも力作、短時間で加工した画像とは思えないほどでした。オシャレな雰囲気でまとめた作品、伝えたい言葉を強調したり、デザインに凝ったもの、アニメーション仕立ての作品もありました。

荒先生は総評を伝えました。
「初めてのアプリの操作で難しかったと思いますが、みんないろんな発想で作っていたのが素晴らしいと思いました。私自身勉強にもなりました。もし、今後画像の加工をすることがあったら今日のことを思い出して使ってみてください」

10月には学びの成果を発表する、販売体験があります。商品の仕入れや利益を考えて売値を考えたり、たくさん売るための宣伝が必要になります。そのとき、今日の授業はきっと役立つはずです。

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