授業レポート

若葉
若葉

起農みらい塾レポート No.05
『さいねい農園』のさいねい先生を迎え、オンラインで学びました!

日時:2024年8月31日(土)9:30~10:50
会場:Zoomオンライン

農園経営から加工品の商品開発・販売、食と農業の魅力を伝える活動を知る。

当初予定していた現地訪問授業は、台風の影響のためオンライン授業に変更。訪問予定だった『さいねい農園』を経営する、さいねい龍二さんもゲスト講師として参加しました。
さいねい先生はJAバンク広島のイメージキャラクターを務めるほか、起農みらい塾開校時からのおつきあいで授業を担当していただいています。東京で俳優やモデルとして活躍され、10年前に広島に戻って広島県世羅町で農業をスタート。その5年後、農業の経営を引き継ぎ、お兄さんとともに農園をやりながらタレント活動を継続しています。主な作物は、キャベツとミニトマト。キャベツは年間約5万個を作り、ミニトマトは1日で多いときは約200kgを収穫できるそうです。規格外の農産物を使った加工品の商品化とイベントでの直売、農業体験の受け入れなど、食と農業を身近に感じてもらうための取り組みにも積極的です。
また、農業の未来を考え、農業の素晴らしさを発信する活動も行っています。
「近年は、農業人口が減って、高齢化が進んでいます。ぜひ、若い人たちに農業をやってもらいたい!みんなが憧れる、かっこいいなと思われる仕事になるよう頑張っています!」

塾生の好奇心は止まらない、農業の現場が少しずつ見えてくる。

さいねい先生への質問コーナーが始まりました。
フードフェスティバルで『さいねいレストラン』を出店し、野菜スティックやクラフトドリンクを販売したときの説明を受けての質問です。
塾生「どのくらい人が来ましたか?」
さいねい先生「約1,000人くらいですかね。大変忙しかったです。」

塾生「農園での1年間の収穫量は?」
さいねい先生「ミニトマトは約6トン、キャベツは約3.2トンです。キャベツ1個の方が重いのに少ないのは不思議だったかな?キャベツよりミニトマトの方が収穫時期が長く、採れる量が多くなるんです」
農園ではお米やハーブ類、タマネギ、ニンニクなども育てているそうです。

前回の授業で自然栽培を学んだので、こんな質問も。
塾生「どんな栽培方法で農業をやっているんですか?」
さいねい先生「農業をビジネス化しないと、若い人たちは農業を目指してくれないと思っているので、慣行農法をベースに健康な野菜を育てるため、特に土づくりにはこだわっています」

※慣行農法…化学肥料と農薬の使用を前提とした一般的な栽培方法。

塾生「なぜ、キャベツを作ろうと思ったんですか?」
さいねい先生「2つ理由があります。お好み焼き屋さんで使われているキャベツ、実は広島県産が少ない。広島の名物には、地元のキャベツを使ったほうがいいと思ったからです。もう一つは農業生産性のこと。農業を時給換算で計算したところ、キャベツが一番高かったからです。
重量野菜は力仕事なので、農業に興味のある若い人にはキャベツをおすすめしています。生産性のいいキャベツを適した年齢でやれば効率的にお金を貯められます。経験とお金を得たときに、本当にやりたい作物にチャレンジできます」
若者がスムーズに農業に入れるよう、アドバイスを添えて答えてくれました。

塾生「さいねい農園のキャベツはどこで食べられますか?」
さいねい先生「10月中旬から12月中旬まで出荷するので、その頃にデパートで売ってるし、お好み焼き屋さんでも食べられるよ」

塾生「一番育てにくい野菜はなんですか?」
さいねい先生「例えば、キャベツとミニトマトどっちが難しいと思う?答えはミニトマトです。キャベツは葉っぱが出来上がればゴール。ミニトマトは葉っぱからその後があります。花が咲き、実がついて大きく赤くなって出荷のタイミングです。どこまで育てればいいのかがぜんぜん違う。ホウレンソウや小松菜のような葉物野菜より、ブドウやイチゴなど実がつく方が難しいと言われています」

塾生「一番簡単な野菜はなんですか?」
さいねい先生「ぼくは小松菜だと思います。葉っぱを育てればOKという野菜。いい条件が整っていれば、最大10回くらい収穫できる。成長が早くてゴールまでが近いんです。それでも育てるのは苦労もあるし、大変です」

農業の質問が続いたあと、芸能界の質問にも気さくに答えていただきました。出会ってうれしかったお笑い芸人、アイドルグループ、女性俳優と共演した話題など楽しいトークが続きました。

農業でいい暮らしができる、未来のために。

最後に、さいねい先生から塾生への質問でした。
「将来、お金持ちになりたい人は手をあげてください!」
ほぼ全員が手をあげました。次の質問は究極の選択でした。
「Aは自分にとってイヤな仕事でも給料が多い。Bは自分の好きな仕事でも給料が少ない。どっちを選ぶ?」
Bを選んだ塾生がやや多い結果に対して、さいねい先生は続けました。
「どちらかが正解というわけではありません。同じ人でも人生のタイミングで違った答えを出すかもしれない。ぼくは10~20代なら間違いなくAです。30代になって、Bの気持ちがわかってきました。今はどちらかというとAかな。自分を知るという意味で、どちらを選ぶかを考えることが大事です。そのときが、人生の節目になっている気がします」

さいねい先生からの最後の質問です。
「将来、農業をやってみたい人は?」
出席した18人の塾生のうち、半数以上が農業を希望しました。

驚きと喜びが入り混じった表情のさいねい先生。
「そんなにいるんだ!?とてもうれしいです!農業が儲かる、農業でいい暮らしができる、みんなが安心して農業を始められるような未来を作るために、ぼくも頑張っていこうと思います!今日はみんなありがとう!」

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