授業レポート

若葉
若葉

起農みらい塾レポート No.04
オリジナルのりんごジャムを試作、販売用の商品を決めました!

日時:2025年9月13日(土)11:30~15:30
会場:平田観光農園

訪問先へのバス移動の時間を有効活用!
今までの授業をふりかえる、クイズ大会は大盛り上がり。

平田観光農園に向かうため、塾生たちを乗せたバスは広島駅を出発。車内では、山口先生によるクイズ大会が始まりました。授業のふりかえりをテーマにしたクイズは全16問。お世話になった先生の名前や特徴など簡単なものから、教わった内容に関する問題へと難易度が徐々に上がっていきました。前回の商品企画についての出題もあり、これからの授業の予習になったようです。

クイズ大会後、大野先生から本日の授業の目標が伝えられました。前回の授業でブラッシュアップしたアイデアをもとに各班2種類、合計8種類のジャムを作り、その中からイベントで販売する商品2種類を決定するとのことでした。

初めてのジャム作りに悪戦苦闘!
アイデアをもとにアレンジを加えた全8種類の試作品が完成!

平田観光農園に到着後、りんごジャムの試作に取り掛かりました。調理台の上にはジャムのベースになる、カットりんご、砂糖、レモン果汁のほか、班ごとにジャムに加える食材(2種類)が用意されていました。

A-①班 ◎りんごの皮×はちみつ×レモン ◎りんごの皮×さつまいも×レモン
A-②班 ◎オレンジ×レモン ◎はちみつ×さつまいも×シナモン
B-①班 ◎ラムネ×マシュマロ ◎ゆず果汁
B-②班 ◎口の中で弾ける食感のキャンディ ◎ドライフルーツ(りんご・ぶどう・いちじく)

末國先生から材料の説明とジャム作りの大まかな流れの話がありました。
「まず、りんごを加熱して、砂糖を入れながら甘さを調節します。最終的にレモン果汁を入れて味を整えますが、班ごとのアイデアをプラスしてアレンジしながら完成させるイメージです」
塾生は、エプロン、マスク、三角巾、手袋を着用して準備完了。2種類のうちどちらを先に作るかを決めて調理がスタートしました。

鍋にカットりんごを入れ、中火で煮込みます。A-①班はりんごの皮むき、A-②班はオレンジを輪切りにして準備を済ませました。鍋の様子を見ながら、焦げないようにヘラで底の方から混ぜていきます。

しばらくすると、グツグツと音を立て始めました。ここから甘味を足すために砂糖を入れますが、甘さの加減は塾生自身で決めます。全員が味見をしたあと、先生は、いつも食べているジャムの甘さを思い出して比較するようすすめました。塾生の感想はさまざまで、甘さの好みも分かれました。

「人によって甘さの感じ方は違うよね。販売するとき、お客さんにどのくらいの甘さですかと聞かれたらどうする?」
先生はとっておきのアイテムを取り出し、甘さを数値化する糖度計の使い方を説明をしました。
ある班で計測してみると20度弱でした。
「スーパーで売っているジャムが40~50度です。まだ甘くしてもいいですね」
甘さの基準をもとに、鍋に砂糖を加えて糖度を測って味見をする、甘さの調整作業を繰り返しました。
砂糖の加減が難しいようで、塾生は苦労していました。
「何杯いれる?」
「もうちょっと甘いほうがいいのかな?」
甘さの調整が済むと、各班のアイデアを具体化するアレンジ用の食材を入れていきました。分量は塾生にお任せで、味見をしながらみんなで協力して作っていきました。仕上げにレモン果汁を入れ、各班1種類目のジャムが完成しました。

2種類目のジャムは、先ほどベースのジャムを作っているので手際よく調理が進行、班ごとのアレンジに力を入れることができました。

A-①班は、皮をむいたさつまいもを少しずつ鍋に入れながら味見をして量を決めていました。はちみつを加える量は、原価が高くなるので注意するようにと先生からアドバイスを受けて調整していました。

A-②班は、スティックとパウダーの2種類のシナモンのうち、香りが強いスティックタイプを選択。香りの強さを加減するため1本半に抑えました。
B-①班は、ゆず果汁を入れながら味見をしてちょうどいい味になるように仕上げていました。

B-②班は、りんごとぶどうのドライフルーツを使用。包丁で細かく刻んだものを入れていました。

「めっちゃ、いい匂いする!」
「今度は甘さの調整がうまくいった!」
「これ、美味しいよ!」
自信があるのか、先生にすすめる塾生もいました。
すべての班で2種類目のジャムが完成しました。
作ったジャムは、お土産用として持ち帰るために取り分けました。

ジャム作り後の塾生の感想です。
「何回か味見をしていると、味がどんどんわからなくなってきて大変だった。でも、甘味と酸味が味わえるオリジナルの美味しいジャムができた」
「材料を全部入れたあと、かき混ぜるのが楽しかった。量が多いのですごく重く感じた。みんなで協力して無事に完成してうれしかった」
「味見の直前までどうすれば美味しくなるのか考える時間が楽しかった。隠し味になるようにレモンの量も工夫した。味見する前と後で味が変化するのがおもしろかった」
「ジャム作りがこんなに難しいと思わなかった。末國先生はいっぱい努力したからプロになれたんだと思う」
「2種類作れたので満足した。最初は苦労したけど、2つ目は1回経験したのでスムーズに作れた」
「焦がさないように混ぜるのが大変だった。少しずつできていくうちに、とても楽しくなって最終的に美味しいジャムができてよかった。りんごのドライフルーツを入れたので食感が2つになっていい感じになった。お家で料理の手伝いをしているので今日活かせたと思う」
「甘さの調節に苦労したのと材料を入れるタイミングが難しかった。お母さんがいつもご飯を美味しく作ってくれているすごさがよくわかった」

各班のこだわりが詰まったオリジナルジャムの中から、
投票の結果、商品化する2種類が決定!

商品化するジャムを選ぶため、全員で試食しました。
大野先生は、しっかり味見をするようにと伝えました。
「自分の班が作ったジャムの材料やこだわりをみんなに教えてあげてくださいね!」

末國先生も試食を終え、各班が作ったジャムの感想を話しました。
A-①班へ:「りんごの皮の食感を活かすために、今の3倍くらい入れてもいいかな。味のバランスもよく、いいジャムが完成しましたね」
A-②班へ:「りんごジャムからオレンジの香りがする、この組み合わせは先生も試したことがありませんでした。香りのいいジャムが仕上がったと思います」
B-①班へ:「ゆずの力ってすごいと思いませんでしたか?少し入れただけで深い味わいになる。魅力的なジャムになりましたね」
B-②班へ:「甘味が強いドライフルーツは味にアクセントがつきます。異なる食感を楽しめる素晴らしいジャムになりましたね」

商品化するジャム2種類は塾生全員の投票によって選ばれます。1人2票、自分の班が作ったジャム以外に投票します。一人ひとり順番に、試食した感想と美味しかったジャムを発表。
結果、得票数が一番多かったのはB-①班の“ゆず果汁”入り。次にA-①班の“りんごの皮×はちみつ×レモン”の組み合わせのジャムでした。
大野先生は、決定したジャムを読み上げ、頑張って販売しようと声をかけました。
「イベント本番では、この2種類を販売します!選ばれなかった班もとても素晴らしいジャムを作りました。起農みらい塾を代表して商品化されるジャムは、みんなのジャムということを忘れずにね!」
値段や販売数などはこれからですが、オリジナルジャムの中身は決まりました。

心強い、平田観光農園のサポート!
販売実習用の商品に、“ジャム・サイダー”を追加!

ジャム以外に、当日販売する商品が発表されました。炭酸ジュースにいちごジャムを加えた“ジャム・サイダー”です。末國先生のこだわりが詰まった、平田観光農園おすすめのドリンクです。塾生は、カップの底に溜まっているジャムをかき混ぜながら、一気に飲み干しました。
「めっちゃ、うまい!」
「売れそう!」
自分たちで考えたアイデアを形にしたジャムとともに、当日、自信をもってお客さまにおすすめできる商品が決まりました。

授業の締めくくりは、末國先生から塾生への感謝のメッセージでした。
「2回に渡って、収穫体験や農園ビジネスの学習、商品開発の授業を行いましたが、真剣に学ぶみなさんを見て、私も刺激を受けました。大人になると頭が固くなり、チャレンジすることをためらいがちですが、みなさんのように自由な発想で、楽しく、新しいことに挑む姿勢を見習い、これから頑張っていきたいです」

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